濃尾平野の地史(14)

熱田台地と熱田層

熱田台地は名古畳市の東側に分布する東部丘陵の西縁をとりまくように分布し、その主体は名古屋市の中心部を占めている。
熱田台地は海抜20mから10m前後の高さを示す平たんな台地である。名古屋城はこの台地の西北端に、足下に広がる沖積平地を見下ろす位置に築かれており、また、その西南端には熱田の宮がある。熱田台地上の平たん面は熱田層の堆積面で、もとは水平であったものが、濃尾平野の候動運動に伴って西ないし西南西方向に傾いた。この熱田台地は、熱田層堆積後の海面低下期に河川の浸食作用からけずり残されて台地化したものである。したがって、熱田台地を構成するものは本来熱田層である。

熱田台地中央部を南北に貫く低地は大曽根面で、ここには大曽根層が薄くのっている。熱田層は初め台地周辺部の地表で観察できる部分に対して名づけられたものであるが、最近では多数のボーリング資料から台地の地下の部分や、沖積平野の沖積層の下に埋
もれている熱田層についても多くの事実が明らかにされ、熱田層の全貌がわかってきた。

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