名古屋およびその周辺の地盤災害(6)

(d)名古屋市南部の震害
名古屋市南部の震害分布については、南部の港に隣接した地域で震害の大きいことがわかる。
これらの震害地はおおむね干拓、埋立などにより1600年ごろから開発された地域とはぼ一致しており、軟弱層の発達したところに生じていることがわかる。
ボーリング資料をもとにして.表層の土質と震害との関係を種々検討した結果、この地震については,単なる沖積層の厚さよりも、表層5mまでのつぎのような軟弱層率が最もよい相関を示すことを見いだした。
軟弱層率=軟弱層の総和(m)/ 5(m)×100(%)
軟弱層率70%以上のところでは,いずれも倒壊率が20%以上となっていることがみられる。なお沖積層厚5m以下でも20%以上の倒壊率を示したことは注目に値する。
これらの地点は、洪積層が潜丘的にもり上がったところで、軟弱な沖積層がうすく覆っている。
なお新潟地震によって地震時の流砂現象が注目されるようになったが、東南海地震においても同様の現象があった。

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