名古屋およびその周辺の水害(2)

名古屋における水害と関係の深い臨海低地は、およそ次のように分類して理解できることができる。
i) 埋立地
明治、大正、昭和にかけて、港の整備にともない造成されたもので、標高T.P.+1.5~3.5mの地盤高をもっている。
ii)干拓地
徳川期に新田として、遂次干拓されていった地帯で、標高はT.P.-1.0mの低地がかなり広く分布している。
iii)旧開拓地
徳川期以前に開拓された土地で、標高はT.P.+0.5~2.Omくらいの地帯で、北は国道一号線のやや北から関西本線以北におよび、東側は洪積台地の西側に沿って細長く帯状をなしている。
名古屋の低地は現在大部分が市街化しているが、市街化が急激にのびたのは昭和5年以降、とくに戦時中の軍需工場の進出および戦後の経済成長によるものである。防災対策がないままに急激に市街化したことが、伊勢湾台風時に名古屋に空前の被害をもたらす原因となった。

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